グラデーション、写真素材、選手一人ひとり違う背番号——チームウェアのデザインで「これ、本当に生地に乗るの?」と聞かれることが多い。答えは生地と手法次第で、なかでも昇華プリントは自由度が高く、ラグビーのように接触の多い競技でも安心して使える方法のひとつだ。刺繍やシルクスクリーン、圧着との違いを、現場で実際に判断している基準で整理する。
昇華プリントとは何か——「乗せる」のではなく「染める」
昇華プリントは、インクを一度気化させて繊維の内部まで染み込ませる方法だ。表面にインクの層を重ねるプリントと違い、生地そのものが発色するので、着ているうちにひび割れたり、洗濯を重ねて色が抜けたりということが起きにくい。
生地を触ってもプリント部分だけゴワつく感じがなく、着心地への影響がほぼない。これがチームウェアで全面昇華を基本にしている理由で、タックルやスクラムで生地が擦れる場面が多いラグビーでは特に効いてくる。
刺繍・シルクスクリーン・圧着プリントとの違い
同じ「ロゴを入れる」でも、手法によって向き不向きがはっきり分かれる。刺繍は糸を縫い込むので立体感が出て高級感があるが、細かいグラデーションや写真調のデザインには向かない。シルクスクリーンは版を作って1色ずつ刷る方式で、単色・少色のロゴを大量に同じ仕様で作る場合にコストが安定しやすい。
圧着プリントはシートを熱で貼り付ける方法で、胸元のワンポイントロゴなど部分使いに向くが、面積が広くなると耐久性で見劣りしやすい。昇華プリントはこの3つと違い、生地の染色に近いので、複雑な柄・グラデーション・写真・選手ごとに違う背番号や名前でも、追加の費用がほとんど発生しない点が現場では一番使い勝手がいい。
| 手法 | 特徴 | 向いている柄 |
|---|---|---|
| 昇華プリント | 生地を染めるので色落ち・ひび割れに強い | グラデーション・写真調・背番号や名入れ |
| 刺繍 | 立体的で高級感が出る | 単色ロゴ・ワンポイント |
| シルクスクリーン | 版で単色を大量に刷る | 単色〜数色のロゴを同仕様で大量生産 |
| 圧着プリント | シートを熱圧着 | 胸元などの部分使い・ワンポイント |
昇華プリントが向いている柄、向いていないケース
白や淡い色をベースにしたデザインは、昇華プリントの発色が一番きれいに出る。逆に生地の色そのものが濃い場合は、発色の見え方が変わってくるので、入稿前に色味の相談をしておいた方がいい。
背番号やネームを選手ごとに変える場合も、昇華なら1枚ずつ版を作り直す必要がないので、通常の柄と同じ感覚で対応できる。「この柄、複雑すぎて無理じゃないか」と遠慮してしまうチームが多いが、実際にはグラデーションや写真素材こそ昇華プリントの得意分野だ。
昇華プリントは生地全体を染める仕組みのため、単色ロゴに比べて複雑な柄だから割高になる、ということが起きにくい。デザイン自体も含めてウェア・ロゴともに無料で作成できるので、まずは希望のイメージをそのまま伝えてみるのがいい。
例外はCOTTON POLY生地——切り返しと刺繍という選択
すべての生地が昇華プリントに対応しているわけではない。COTTON POLY生地は昇華プリントができないため、色を変えたい場合は生地パーツを切り替える「切り返し」で対応する。
ロゴを入れたい場合は刺繍を使うことになり、1箇所であれば無料、それ以上のロゴ追加は別途費用がかかる。綿の風合いを活かした普段使いのウェアを検討しているチームは、この生地の特性を先に知っておくと、デザインの打ち合わせがスムーズに進む。
失敗しないための確認ポイント
プリント手法で失敗するチームの多くは、生地とデザインの組み合わせを詰めないまま数量を決めてしまうケースだ。濃色生地に細かい柄を乗せたい、綿混の生地でグラデーションを再現したい、といった要望は事前にすり合わせておく方がいい。
新規発注は5枚から、追加は1枚から作れるので、迷っている段階でまとまった枚数を決め打ちする必要はない。判断に迷う場合はサンプルを取り寄せて、実際の生地とプリントの質感を確かめてから本発注に進むチームも多い。
昇華プリントは色落ちしにくいと聞きましたが本当ですか?
背番号やネームを選手ごとに変えると割高になりますか?
COTTON POLY生地でチームロゴを目立たせたい場合はどうすればいいですか?
デザインが未定でも大丈夫です。チーム名・用途・だいたいの枚数と時期だけで、話は進みます。

