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同じデザインでも、生地が変わると着心地も見た目も寿命もまるで別物になる。チームウェアづくりで色やロゴの話は盛り上がるのに、生地の種類と選び方は「おまかせで」と流されがちだ。実際には、競技や使う場面によって最適な生地は変わり、ここを外すと「かっこいいのに着ない一枚」になってしまう。現場で判断している基準をもとに、生地選びの考え方を整理する。
生地がチームウェアの満足度を左右する理由
ウェアの印象を決めるのはデザインだが、ウェアが「使われ続けるか」を決めるのは生地だ。練習のたびに着たくなる一枚と、数回着てロッカーの奥にしまわれる一枚の差は、多くの場合デザインではなく、汗をかいたときの張り付き、洗濯後の乾きにくさ、着たときの重さといった生地由来の要素から生まれる。
もうひとつ見落とされがちなのが、生地とプリント手法の関係だ。チームウェアの主流である昇華プリントは、ポリエステル生地の繊維を直接染める仕組みのため、生地の選択がそのまま「どんなデザインを載せられるか」に直結する。グラデーションや写真調の柄を全面に入れたいのか、綿の風合いを優先してロゴは刺繍にするのか——生地を決めることは、デザインの自由度を決めることでもある。
だからこそ、生地選びは「最後に決めるオプション」ではなく、デザインと同じタイミングで考え始めるのがいい。用途と着る場面がはっきりしていれば、選択肢は自然と絞られていく。
ポリエステル生地の主なタイプと特徴
チームウェアの生地の中心はポリエステルだ。理由はシンプルで、軽くて乾きやすく、洗濯に強く、昇華プリントで自由にデザインを載せられるからだ。ただ、ひとくちにポリエステルと言っても、織り方や厚みによって性格はかなり違う。大きく分けると次の4タイプになる。
| 生地タイプ | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 軽量・速乾タイプ | 薄手で乾きが早く、汗をかいてもベタつきにくい | 練習着・ランニング・夏場のイベント |
| 強耐久タイプ | 厚手でハリがあり、引っ張りや擦れに強い | ラグビー・レスリングなど接触の多い競技 |
| メッシュタイプ | 通気孔があり熱がこもりにくい | ビブス・夏場の試合用・インナー併用 |
| スムース・きれいめタイプ | 表面がなめらかで発色がきれいに出る | ポロシャツ・移動着・企業ユニフォーム |
迷いやすいのは「軽量・速乾」と「強耐久」の使い分けだ。同じTシャツでも、毎日の練習でガンガン洗濯するなら乾きやすさが効いてくるし、接触プレーやウェイトトレーニングで擦れる場面が多いなら生地の強さが効いてくる。この2つの違いは速乾Tシャツと強耐久Tシャツの選び方で詳しく比較しているので、Tシャツ系を検討しているチームはあわせて読んでほしい。
どのタイプもポリエステルなので昇華プリントに対応しており、チームカラーの全面デザインや選手ごとの背番号・ネームも自由に入れられる。生地のタイプを変えても「デザインを諦める」ことにはならないのが、ポリエステル系の強みだ。
綿混(COTTON POLY)生地という選択肢
一方で、「いかにもスポーツウェア」な光沢よりも、普段着に近い落ち着いた風合いがほしい場面もある。移動着やオフの日にも着られるTシャツ、卒団記念のパーカーなどで人気なのが、綿とポリエステルを混ぜたCOTTON POLY生地だ。肌ざわりが柔らかく、カジュアルな服と並べても違和感がない。
ただし、綿混生地にはひとつ大きな制約がある。COTTON POLY生地は昇華プリントができない。昇華はポリエステル繊維を染める技術のため、綿が混ざると発色が成立しないからだ。色の切り替えは生地パーツごとに色を変える「切り返し」で対応し、ロゴは刺繍で入れる形になる。刺繍は1箇所までは無料だが、2箇所目以降は別途費用がかかる。
つまり綿混を選ぶことは、「グラデーションや写真調の全面デザインは使わない」と決めることでもある。風合いを取るか、デザインの自由度を取るか。ここは優先順位の問題なので、どちらが正解ということはない。試合用は昇華のポリエステル、オフ用は綿混、と使い分けるチームも多い。
週に何回着て、どれくらい洗うのか。試合・練習・移動・普段着のどこで使うのか。この2つが決まれば、生地の候補はほぼ2択まで絞れる。デザインはウェア・ロゴとも無料で作成できるので、生地選びの段階から気軽に相談してほしい。
競技・用途別の生地の選び方
ここからは、実際の相談で多いパターンを競技・用途別に整理する。
ラグビー・レスリングなど接触の多い競技は、強耐久タイプが基本になる。タックルやスクラム、組み技で生地がつかまれ、引っ張られ、マットや地面に擦れる。薄手の生地では持たない場面が多いので、試合用ジャージは生地の強さを最優先にしたい。一方、同じチームでも練習用Tシャツやウォームアップは軽量・速乾タイプにして、役割で使い分けるのが定番だ。
サッカー・ランニングなど走り続ける競技は、軽さと通気性が効いてくる。軽量・速乾タイプやメッシュタイプを中心に、夏場の大会が多いなら熱のこもりにくさも判断材料になる。
マリンスポーツは特殊で、「濡れる」ことを前提に生地を選ぶ必要がある。水を吸って重くなる生地や、濡れて肌に張り付く生地は海の上では快適さを大きく損なう。速乾性に加えて水抜けの良さ、濡れても肌に密着しにくいことが条件になる。詳しくはマリンウェアの選び方で解説している。
企業・団体のユニフォームやイベントスタッフウェアは、発色のきれいなスムース系やポロシャツ生地が人気だ。着る時間が長く、人前に立つ場面が多いので、シワになりにくさや上品な見た目が優先される。屋外イベントが多いなら速乾性も加味するといい。
いずれの場合も、競技や用途による「作れる・作れない」の縛りはない。チームの使い方に合わせて、アイテムごとに生地を変えることもできる。
失敗しないための確認ポイント
生地選びで後悔するチームには共通点がある。カタログの写真と色だけで決めて、実物の厚みや質感を確かめないまま数量を確定してしまうケースだ。画面越しには生地の重さも肌ざわりも伝わらないので、迷ったらサンプルを取り寄せて、実際に触って、できれば羽織ってみるのが確実だ。
確認しておきたいのは次の4点。①その生地で希望のデザインが再現できるか(特に綿混×昇華の組み合わせは不可)②洗濯頻度に生地の耐久性が見合っているか③夏・冬どちらのシーズンに着るのか④サイズ感が生地の厚みで変わらないか。サイズ選びは生地とも関わるので、サイズ表の作成や集計とあわせて早めに確認しておくとスムーズだ。
新規の発注は5枚から、追加は1枚から対応できるので、最初から全員分を決め打ちする必要はない。まず主力メンバー分で作って、着心地を確かめてから追加する、という進め方もできる。納期は目安として8週間ほど見ておくと余裕を持って動ける。
生地は自分たちで選ばないといけませんか?
同じデザインで生地だけ変えることはできますか?
冬用の厚手アイテムも作れますか?
デザインが未定でも大丈夫です。チーム名・用途・だいたいの枚数と時期だけで、話は進みます。

